論証集~行政法10~附款・法律と条例

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論証集  行政法総論

附款・法律と条例

附款の意義と限界

附款とは、行政行為の効果を制限するため、行政庁の意思表示の主たる内容に付加された従たる意思表示である。

附款には法律の規定による画一的な処理の要請に対し、具体的な状況に応じたきめ細やかな、弾力性のある対応を可能にする機能がある。

附款の種類としては、①条件、②期限、③負担、④撤回権の留保の四つに区別されるのが一般的である。

では、どのような場合に、どのような内容の附款を付すことができるのか。
まず、行政行為の根拠法に附款を付すことができる旨の規定がある場合には、法律が許容している以上、行政庁は、当然に附款を付すことができる。もっとも、その内容は根拠法の規定に違反してはならない。

また、行政行為の根拠法に附款を付すことができる旨の規定がない場合であっても、行政庁に裁量権が付与されているのであれば、附款を付すこと自体も当該裁量権行使の一態様といえるので、その範囲で附款を付すことができる。もっとも、その内容は、裁量権行使についての一般的な制約に服することになる。具体的には、当該行政行為の根拠法規の目的に反したり、法の一般原則である平等原則や比例原則に違反する内容の附款を付すことは許されない。

法律と条例の関係(最判昭50・9・10)

条例が国の法令に違反するかどうかは、両者の対象事項と規定文言を対比するのみでなく、それぞれの趣旨、目的、内容及び効果を比較し、両者の間に矛盾牴触があるかどうかによってこれを決しなければならない。

例えば、①ある事項について国の法令中にこれを規律する明文の規定がない場合でも、当該法令全体からみて、右規定の欠如が特に当該事項についていかなる規制をも施すことなく放置すべきものとする趣旨であると解されるときは、これについて規律を設ける条例の規定は国の法令に違反することとなりうる。

逆に、②特定事項についてこれを規律する国の法令と条例とが併存する場合でも、後者が前者とは別の目的に基づく規律を意図するものであり、その適用によって前者の規定の意図する目的と効果をなんら阻害することがないときや、③両者が同一の目的に出たものであっても、国の法令が必ずしもその規定によって全国的に一律に同一内容の規制を施す趣旨ではなく、それぞれの普通地方公共団体において、その地方の実情に応じて、別段の規制を施すことを容認する趣旨であると解されるときは、国の法令と条例との間にはなんらの矛盾牴触はなく、条例が国の法令に違反する問題は生じえない。

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