論証集~刑法各論~偽証罪・虚偽告訴罪

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偽証罪

国の審判作用の適正を侵害する抽象的危険犯。事後宣誓であってもよい(通説)。ただし、宣誓は適法である必要がある。

虚偽の陳述の意義

「虚偽の陳述」(169)の意義が問題となる。
この点、偽証罪の保護法益は国家の審判作用の適正である。
そして、元来証人はその経験した事実をそのまま述べるところにその役割が有り、記憶に反する事実を陳述すること自体に既に国家の審判作用を害する危険が含まれている。
よって、「虚偽の陳述」とは、自己の記憶に反する証言をすることをいうと解する(大判大3・4・29)。

刑事被告人の偽証の教唆

刑事被告人が第三者に対して偽証を教唆した場合、教唆犯が成立するか。
(a) 肯定説(大判昭11・11・21)
この点、被告人が証人適格を有しないのは黙秘権との関係における政策判断の結果であり、偽証罪の主体から明文で除外されているわけではない。
とすれば、本来は正犯たりうるのである。したがって、共犯たりうるのは当然であると考える。

被告人が証人適格を有しないことに直接正犯の不可罰根拠を求めるのであれば、犯人蔵匿・証拠隠滅について否定説を採ったとしても、肯定説を採用することができる。

(b) 否定説
思うに、刑事被告人自身の偽証が不可罰とされるのは、かかる行為は類型的に期待可能性が乏しいからである。そして、正犯としての期待可能性を有しない以上、共犯としても期待可能性を有するとはいえない。よって、教唆犯が成立しない。

(b) 否定説
思うに、刑事被告人自身の偽証が不可罰とされるのは、かかる行為は類型的に期待可能性が乏しいからである。そして、正犯としての期待可能性を有しない以上、共犯としても期待可能性を有するとはいえない。よって、教唆犯が成立しない。


虚偽告訴罪

客観的真実に反することが虚偽である(最決昭33・7・31)

同意による虚偽告訴

この点、虚偽告訴罪の保護法益は、国家の刑事司法作用・懲戒作用の適正および個人の自由にある。
そして、同意があったとしても、国家の刑事司法作用・懲戒作用の適正は害されうる。よって、同意があったとしても、虚偽告訴罪は成立すると解する(大判大3・11・3)。

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