学説判例研究~刑訴~令状による捜索・差押

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令状による捜索・差押

捜査機関の目的

①逮捕・勾留=罪証隠滅・逃亡の防止
②取調べ=供述証拠の収集
③捜索差押え・検証・鑑定処分…等=物的証拠の収集
<原則>令状による捜索差押え <例外>逮捕に伴う無令状の捜索差押え

定義

捜索:物又は人の発見を目的とする強制処分(102条,218条1項)

押収:物の占有を強制的に取得する処分

差押:占有取得の過程自体に強制力が加えられる(99条1項,218条1項)

領置:任意に提出された物の占有を取得する強制処分(101条、221条)

提出命令:差し押さえるべき物を指定して提出を義務づける裁判(99条2項)

憲法35条の「押収」は占有取得に直接強制を用いる刑訴法上の差押を意味すると言われているので、領置、提出命令は令状を要しない。他方、刑訴法上の押収は、差押え・提出命令・領置。

令状発付の実体的要件

「何人も侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、第33条の場合を除いては、正当な理由に基づいて発せられ、かつ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない」(憲法35条1項)
憲法がこのように規定していることから、捜索・差押令状の発布には正当な理由が要件となる。

①犯罪の嫌疑(規則156条1項)
②捜索:被疑事実に関連して差し押さえるべき物が存在する蓋然性(222条1項、102条)
差押え:差し押さえるべき物(有体物)と被疑事実との関連性(事件単位の原則)
③捜索・差押えの必要性
明文の規定はないが、判例(最決昭和44年3月18日)により必要だと考えられている。

この判断は犯罪の態様,軽重,差押物の証拠としての価値,重要性,差押物が隠滅毀損されるおそれの有無,差押によって受ける被差押者の不利益の程度その他諸般の事情により検討する