学説判例研究~行政法~ノート~21-25事件

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行政判例ノート 21~25

21:公水使用権の性質
【最判昭和37年4月10日】

■論点
・公水使用権(慣行水利権と許可水利権)の法的性質

■事実の概要
Xらは、長野県下の鹿島川流域の住民であり、河川の流水を灌漑、飲料用に使用してきた。これについては、慣習法上の公水使用権が発生していた。訴外A社は、発電力増強のために鹿島川ほかの流水を使用することを計画し、同河川の水の使用・工作物の設置に関して許可申請を行い、Y(長野県知事)は、Xらの承諾なしに、水の使用計画の変更を許可した。
これに対して、Xらっは、慣習法に基づく自らの水利権がYの許可・変更許可によって侵害されるとして、これら処分の取消しを求めて出訴した。
1審は、「公共用物使用権の及ぶ範囲はその使用目的達成のための必要限度にとどまる」、と述べ、訴えを却下した。2審も、「本件慣行水利権による水流利用の範囲はその水流地において各自の必要を充たす程度に止まることを要し必要水量以外に水流を処分し他人をして他の用途に新たにこれを利用せしめる権能を有するものと解するべきではない。すなわち、右慣行水利権・・の内容は必要水量に対する用益権であり、絶対無制限な独占排他的のものということはできない」と述べ、控訴を棄却した。

■判旨
上告棄却
「公水使用権は、それが慣習によるものであると行政庁の許可によるものであるとを問わず、公共用物たる公水の上に存する権利であることにかんがみ、河川の全水量を独占排他的に利用し得る絶対不可侵の権利ではなく、使用目的を充たすに必要な限度の流水を使用し得るに過ぎないものと解するのを相当とする。」

■解説
・水の事実上の支配に基づく社会的に承認された権利として慣行水利権が存在することは、大審院や、行政裁判所が古くから認めてきた。

・公水使用権の成立要件
許可水利権(法律によって認められた水利権。灌漑用水利権や鋼工業用水利権、水道用水利権、発電用水利権等に分類できる。慣行水利権との法的位置付けに違いはない。)は、河川法23条による河川管理者の許可によって成立する。条文上「許可」の用語が用いられているが、一定の流水を特定人が独占排他的に占用する権原を与えるものであるから、講学上のいわゆる「特許」に該当する。
一方、慣行水利権については、河川法施行法20条1項に基づき、旧河川法施行規程11条1項によって旧河川法18条の流水占用許可を受けたものとみなされた水利権は、新河川法の水利使用許可処分を受けたものとみなすこととされている。すなわち、旧河川法施行(1896年)前からの慣習法上の流水占用権については、新河川法施行(1964年)後は許可水利権とみなして河川法上の位置付けを与えている。

・河川沿岸住民や河川への訪問者が、消防、洗濯、水浴びなど、生活やレジャー等のために流水を少量または一時的に使用する場合は、もともと流水占用許可が必要な行為ではなく、公水のいわゆる「自由使用」として位置づけられる。
本件1審判決は、公水使用権が「慣行水利権」として成立するための要件について、「慣習による公水使用権は公共用物の一般使用と異なり一つの権利であるから、特定人の権利として承認され、ある程度継続的使用でなければならず、かつ相当長期間にわたり平穏公然に使用されこれが一般に正当な使用として承認されていることを要する」と述べる。

・公水使用権の性格
公水使用権に対する第三者の不法な侵害は民法上の不法行為を構成し得るものであり、民事上の損害賠償請求権や妨害排除請求権が発生すると解される。

慣行水利権は、許可水利権とみなされるものの、許可水利権とは異なり、土地所有権と同様、流水の排他的継続占用の結果生じた堅固な権利として、慣行水利権者は水利権を実質的に自由に譲渡することができる。反面、慣行水利権はその権利の範囲・効力が明確ではない。
一方、許可水利権は、もともと私的権利が存在しない公共財的性格をもつ流水について新たに特定私人に特別に独占排他的な占用権を付与するものであるから、「許可」対象たる主体を、譲渡等によって自由に変更することはできないと解される。反面、許可水利権では権利の範囲・効力は一般的に十分明確である。

22:未墾地売渡予約と名義変更
【最判昭和59年11月29日】

■論点
・入植開墾地の名義変更許可は行政処分といえるか。
・入植開墾地の名義変更許可は、農地法61条の土地売渡処分の無効原因となるか。

■事実の概要
Aは、盛岡市厨川地区の旧陸軍の練兵場跡地への未墾地開拓事業に入植し、二男Xとともに、本件土地の開墾に従事していた。昭和31年に、開拓地一帯の開墾がほぼ完了し、Aは、同年12月、本件土地について厨川地区農業委員会長宛てに農地法65条の規定により買受申込書を提出した。その後、AとXの連名で、入植名義をAからXに変更することの許可を求める入植名義変更許可願が提出され、昭和32年3月4日岩手県農林部長名で許可された。
しかし、この間、同農業委員会からY(岩手県知事)宛てに、本件土地について被売渡人をAとする農地法66条の売渡進達書が提出され、これに基づき、Yは売渡期日を昭和32年3月1日と定めた同月20日付売渡通知書を同法67条の規定によりA宛てに発し、同人に対し、同法61条の規定による本件土地の売り渡し処分(本件処分)を行った。
そこで、Xが本件処分は無効であるとして争った。
主要な争点は、本件変更許可が処分であるか否かということおよび本件変更許可が本件処分の無効原因になるかということにあった。
1審は、本件変更許可は事実上、便宜上の措置に過ぎないものであるとして、これを看過してなされた本件処分は無効となるものではないとした。2審は、本件土地についての一時使用権と売渡予約権が旧名義人から新名義人に移転する効果を生じる行政処分であると解して、その拘束力に反する本件処分は無効であると判示した。

■判旨
原判決破棄自判。Xの控訴を棄却。
「農地法は、右の土地につき売渡予約上の権利を付与しその一時使用を許すべき者の資格要件とその手続及び形式を明定しているところ、一般に、一定の法律効果の発生を目的とする行政庁の行為につき、法律がその要件、手続及び形式を具体的に定めている場合には、同様の効果を生ぜしめるために法律の定める手続、形式以外のそれによることは原則として認めない趣旨であると解するのが相当である。そうすると、農地法は、前記名義変更の許可のような形式、手続によって前記のような売渡予約上の権利を有する地位を承継させることを認めておらず、右に見たような要件を具備し所定の手続きを履践した者に対してのみ、前記のような予約上の権利を付与することとしたものというべきである。」

「本件入植名義の変更の許可は、法律に根拠を持たず、専ら実際上の便宜のために打ち出された事実上の措置にすぎないものであって、これについて前記のような予約上の権利を有する地位の移転ないし付与という効果を認めることはできないというべきである。」

「Aに対する本件土地の売渡処分は、農地法の規定により売渡予約諸の交付を受けていたAから提出された買受申込書に基づき、正規の手続きに従ってされたものである・・。そうすると、右売渡処分は適法なものというべきである。」

■解説
・本件における、AからXへの土地の名義変更許可に関する手続きは、農地法上存在しない。

23:内閣総理大臣・各省大臣の職務権限
【最判平成7年2月22日】

■論点
・特定の航空機の機種を購入するように、内閣総理大臣が運輸大臣に働きかける行為は、内閣総理大臣の職務権限内の行為といえるか。
・運輸大臣が、航空会社に対して、特定の機種を購入するように働きかける行為は、運輸大臣の職務権限内の行為といえるか。
・特定の航空機の機種を購入させるように、内閣総理大臣が、航空会社に直接働きかける行為は、内閣総理大臣の職務権限内の行為といえるか。

■事実の概要
昭和47年8月に、ロッキード社の日本における販売代理店である丸紅の社長Aらが、ロッキード社社長Bと共謀の上、当時の内閣総理大臣Cに対して同社製L1011型機の全日空への売り込みにつき協力を依頼すると共に、成功報酬として現金5億円の供与を約束し、同年10月に全日空が同型機の購入を決定した際、報酬の収受が行われた。争点としては、特に、収賄罪の要件として内閣総理大臣の職務権限が争われた。
1審・2審とも、(1)憲法72条の内閣総理大臣の行政各部の指揮監督権は、内閣法6条により、閣議にかけて決定した方針に基づく必要があるが、一般的・基本的な大枠があれば足り、(2)運輸大臣は民間航空企業に特定の機種選定の行政指導をする職務権限を有するから、指揮内容は主任大臣の権限内であるとして、内閣総理大臣に運輸大臣に行政指導をするよう指揮監督する権限を認め、(3)全日空に対して内閣総理大臣が自ら働きかけることは、内閣総理大臣の職務と密接に関係する行為であるとして、A、Cらの有罪を認めた。

■判旨
上告棄却
「賄賂罪は、公務員の職務の公正とこれに対する社会一般の信頼を保護法益とするものであるから、賄賂と対価関係に立つ行為は、法令上公務員の一般的職務権限に属する行為であれば足り、公務員が具体的事情の下においてその行為を適法に行うことができたかどうかは、問うところではない。」

「内閣総理大臣が運輸大臣に対し全日空に特定機種の選定購入を勧奨するよう働きかける行為がその職務権限に属する行為であるためには、(1)運輸大臣の全日空への特定機種の選定購入の勧奨が運輸大臣の職務権限に属し、かつ、(2)内閣総理大臣が運輸大臣に右勧奨をするよう働きかけることが内閣総理大臣の職務権限に属さなければならない。」

「一般に、行政機関は、その任務ないし所掌事務の範囲内において、一定の行政目的を実現するため、特定の者に一定の作為又は不作為を求める指導、勧告、助言等をすることができ、このような行政指導は公務員の職務権限に基づく職務行為である」から運輸省設置法、航空法の規定からすると、運輸大臣の全日空に対する特定機種の選定購入勧奨の行政指導は、「運輸大臣の職務権限に属する。」

「内閣総理大臣は、憲法上、行政権を行使する内閣の首長として(66条)、国務大臣の任免権(68条)、内閣を代表して行政各部を指揮監督する職務権限(72条)を有するなどし、・・内閣総理大臣は、・・行政各部に対し、随時、その所掌事務について・・・指導、助言等の指示を与える権限を有するものと解するのが相当である。」(以下、法定意見)

・園部逸夫、大野正男、千種秀夫、河合伸一各裁判官の補足意見
「内閣総理大臣の指揮監督権限は、本来憲法72条に基づくものであって、閣議決定によって発生するものではない。右指揮監督権限の行使に強制的な法的効果を伴わせるためには、内閣法6条により、閣議にかけて決定した方針の存在を必要とする。」

■解説
・本件は、内閣総理大臣(以下、首相)の職務権限、特に主任大臣に対する指揮監督権限が判断された初めての事例である。首相に内閣法6条によらない憲法上の指示権を認めるという結論は全員一致であるが、裁判官全員が補足意見または意見を述べている。

・最初に、刑法上の収賄罪(197条)の成立要件としての「職務に関し」と行政法上の権限との関係を検討する。刑法学の通説判例上、賄賂罪の保護法益は「職務の公正とこれに対する社会一般の信頼」であって、法令上の職務権限のほかに、いわゆる「職務密接関連行為」も要件を満たす。

・法定意見は、内閣法6条が定める閣議にかけて決定した方針がない場合にも、首相が行政各部に指示を与える権限を肯定する。

24:建築許可と消防長の同意
【最判昭和34年1月29日】

■論点
・消防法7条に基づく消防長の同意及びその取消は、取消訴訟の対象たる行政処分にあたるか。

■事実の概要
X株式会社は、始発筒の製造業等を経営をしていたが、火薬爆発により工場のうち3棟を焼失したので、昭和24年1月8日、福岡県知事に対し、当時の臨時建築制限規則に基づく、建築(再築)許可を申請した。しかしその許可にあたっては、消防法7条の規定により、Y(所轄の村消防長)の同意を要するため、XはYにその旨申し出た。Yは、Xが持参した同意書に即日記名押印して同県の出先機関である柳河土木事務所に提出させたが、爆発や火災の被害を受けた地元住民等の反対があり、消防の見地から重大な支障があると認め、翌9日頃、同土木事務所長に対して同意の取消しを通告し、同意書の返還を受けた。
Xは、このようなYの同意の取消しを違法として、同意取消処分の取消しおよび無効確認を訴求した。
1審は、行政処分性を認めた上で、Xの請求を棄却、2審は、行政処分性を認めず、原判決を取消し、不適法な訴えとして訴えを却下した。

■判旨
上告棄却
「論旨は、所論の本件Yのなした同意取消は、行政事件訴訟特例法の対象となる行政処分であると主張するに帰する。しかし同法が行政処分の取消変更を求める訴を規定しているのは、公権力の主体たる国又は公共団体がその行為によって、国民の権利義務を形成し又はその範囲を確定することが法律上認められている場合に、行政庁によってなされる具体的行為によって、権利を侵害された者のために、その違法を主張せしめ、その効力を失わしめるためである。従って、かかる抗告訴訟の対象となるべき行政庁の行為は、対国民との直接の関係において、その権利義務に関係あるものたることを必要とし、行政機関相互間における行為は、その行為が、国民に対する直接の関係において、その権利義務を形成し、又はその範囲を確定する効果を伴うものでない限りは、抗告訴訟の対象とならない。」

「しかるに本件Yの同意は、知事に対する行政機関相互間の行為であって、これにより対国民との直接の関係においてその権利義務を形成し又はその範囲を確定する行為とは認められないから、前記法律の適用については、これを訴訟の対象となる行政処分ということはできない。」

■解説
・本件事案は、建築基準法制定前の旧法規に基づくものであり、建築許可権限を有する行政庁が、許可に際して、事前に消防行政を所管する行政庁の同意を必要とするしくみ(以下、消防同意)の下に生じたものである。このしくみは現行法でも基本的に維持されている。

・(1)建築主が建築物を建築しようとする場合には、当該工事に着手する前に、その計画が建築基準関係規定に適合するものであることについて、確認の申請書を提出して建築主事の確認を受けなければならない(建基6条)

・(2)建築主事は、当該確認に係る建築物の工事施行地または所在地を管轄する消防長または消防署長(以下、消防長等)の同意を得なければ、当該確認をすることができない(消防7条1項・建基93条1項)。

・(3)消防長等は、同意を求められた場合においては、当該建築物の計画が法律またはこれに基づく命令もしくは条例の規定で建築物の防火に関するものに違反しないものであるときは、所定の期間内に同意を与えて建築主事に通知をしなければならない(消防7条2項・建基93条2項)。

・この消防法7条に記されている消防同意の法的性質が争われたのが本事件である。本判決の意義は、ある行政機関が他の行政機関に与える同意などの行為が、いわゆる行政内部の関係における行為に過ぎず、国民の権利利益に直接影響を及ぼすものではないから取消訴訟の対象となる処分性をもたないという法理を、1審判決を否定し、最高裁として明確にしたことにある。

・理論上の問題だけでなく、実際の救済可能性から考えても、この(最高裁の)結論で特に不都合はないとされてきた。つまり、消防長の同意が得られないために、本件建築許可処分も得られなかったとしても、申請人は建築不許可処分の取消しを求めて出訴し、そこで不同意の違法性を主張することは可能であり、消防同意の違法性を主張することは可能であり、消防同意を直接に訴訟の対象としなくても、救済方法において欠けるところはないからである。

25:文部大臣と教育委員会の関係
【最判昭和51年5月21日】

■論点

■事実の概要
本件は、昭和31年から10年間文部省の指導の下に全国の小中高で行われた学力調査(学力テスト)に反対する運動の一環として、北海道旭川市永山中学校で起った刑事事件である。昭和36年10月26日、被告人らは、同校で実施される学力調査の阻止行動を行ったが、校長らの制止にもかかわらず校舎に立ち入り、さらに、校長らに暴行を加えた、という理由で建造物侵入罪、共同暴行罪および公務執行妨害罪等で起訴された。本件で争点となったのは、公務執行妨害罪の前提となる本件調査が適法かどうかである。
1審及び2審は、本件調査が教育基本法の「不当な支配」(10条2項)にあたること、および地方教育行政の組織及び運営に関する法律(以下、「地教行法」)54条2項が本件調査の法的根拠となりえないことを理由に本件調査が違法であるとして、公務執行妨害罪を無罪とした(他の2罪は有罪)。

■判旨
一部上告棄却、一部破棄自判
「現行法上、・・・教育に関する地方自治の原則が採用されているが、これは、戦前におけるような国の強い統制の下における全国的な画一的教育を排して、それぞれの地方の住民に直結した形で、各地方の実情に適応した教育を行わせるのが教育の目的及び本質に適合するとの観念に基づくものであって、このような地方自治の原則が現行教育法制における重要な基本原理の一つをなすものであることは、疑いをいれない。そして、右の教育に関する固有の権限に対する国の行政機関である文部大臣の介入、監督の権限に一定の制約が存する。」

「文部大臣は、地教行法54条2項によっては地教委に対し本件学力調査の実施をその義務として要求することができないことは、さきに・・・述べた通りであるり、このような要求をすることが教育に関する地方自治の原則に反することは、これを否定することができない。しかしながら、文部大臣の右要求行為が法律の根拠に基づかないものであるとしても、そのために右要求に応じて地教委がした実施行為が地方自治の原則に違反する行為として違法となるかどうかは、おのずから別個の問題である。・・・地教委は・・文部大臣の右要求に対し、これに従うべき法律上の義務があるかどうか、また、法律上の義務はないとしても、右要求を一種の協力要請と解し、これに応ずるのを妥当とするかどうかを、独自の立場で判断し、決定する自由を有するのである。それ故、地教委が文部大臣の要求に応じてその要求にかかる事項を実施した場合には、それは、地教委がその独自の判断に基づきこれに応ずべきものと決定して実行に踏み切ったことに帰着し、したがって、たとえ右要求が法律上の根拠を持たず、当該地教委においてこれに従う義務がない場合であったとしても、地教委が当該地方公共団体の内部において批判を受けることは格別、窮極的にはみずからの判断と意見に基づき、その有する権限の行使としてした実施行為がそのために実質上違法となるべき理はないというべきである。それ故、本件学力調査における調査の実施には、教育における地方自治の原則に反する違法があるとすることはできない。」

■解説
・本件判決は、結論として、本件学力調査には違法がないとした。すなわち、本件学力調査は、地方教育委員会が、地教行法23条17号に基づき自主的に実施したものであり、文部省の実施要求は、実施の「動機」にすぎないと解したのである。

・本件では、本件調査が地教行法54条2項の調査にあたるかどうか、も争点となった。2審判決は、調査結果が指導要録に掲載されることなどを考慮して本件調査を教育活動の一環として捉え、54条2項の調査にあたらないとしたが、これに対し、本件判決は、本件調査が採った試験という形式だけで教育活動と捉えることは妥当でないとして、十分な理由を示さず、本件調査が54条2項の調査に該当すると認定した。

・地教行法54条2項は改正されていないので、本件判決は今日でも基本的には妥当すると解される。また、文部科学省は、学力低下の対策の一つとして平成19年度から小学6年と中学3年を対象に全国学力テストを実施し対象学年全員の参加を目指しているが、本判決の趣旨から、参加・不参加の最終決定権は市町村にあるとしている。