学説判例研究~民訴~弁論主義総論

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学説判例研究

民訴 弁論主義総論

弁論主義とは、判決の基礎をなす訴訟資料の収集と提出を当事者の権能と責任をする建前。

●内容

(1) 主張責任
裁判所は当事者が主張していない事実を認定して判決の基礎とすることは許されない。
(2) 自白の拘束力
裁判所は当事者間に争いがない事実はそのまま判決の基礎にしなければならない。
(3) 職権証拠調べの禁止
争いのある事実ついて証拠調べをするには、原則として、当事者が申し出た証拠によらなければならない。

●根拠

条文
当然の原則なので、明文の規定はない。
人事訴訟法の20条参照。
人事訴訟法は民事訴訟法の特則。20条で弁論主義の反対概念である職権探知を規定。

私的自治の訴訟法上の反映(本質説)。

●弁論主義の機能

不意打ち防止。
機能であって根拠ではない。言い換えると、不意打ち防止の要請から弁論主義を採用というわけではない。
しかし、弁論主義に違反の判断基準は当事者に対する不意打ちの有無で判断される。

なお、釈明権も参照のこと(149条)

●処分権主義との違い

弁論主義も処分権主義も、基本的には私的自治を理論的基礎ないし背景とする点において共通する面がある。
しかし、処分権主義は、訴訟物の範囲の確定、訴えの取下げ、請求の放棄・認諾等の審判対象の設定・処分にかかわるものである。これに対し、弁論主義は訴訟の存在を前提としてその基礎となる事実及び証拠の提出にかかわるもの。

●事実の分類

(1) 主要事実
法律効果である権利の発生、変更、消滅に直接必要な事実。

要件事実と主要事実
ア 司法研修所の考え方
要件事実=主要事実。実務科目はこの考えによる。
要件事実とは、一定の法律効果(権利の発生、障害、消滅、阻止)を発生させる要件に該当する具体的事実をいう。
イ 有力学説
要件事実≠主要事実。要件事実を具体化したものが主要事実。民事裁判入門や新堂民訴、重点講義などはこれ。

(2) 間接事実(徴表)
主要事実の存在または不存在を推認するのに役立つ事実。
間接事実による主要事実の推認に働くのが経験則。
間接事実は主要事実を証明するための手段であり、証拠資料と同様の作用・機能を営む。
(3) 補助事実
証拠の信用性に影響を与える事実。