学説判例研究~民法~レジュメ~債権の意義

この記事の所要時間: 212

民法レジュメ

債権の意義

●特定の人が特定の人に対して一定の行為を請求できる権利。

人の人に対する権利(対人権)ととらえることができる。
この一定の行為を請求できる者,すなわち債権を有している者が債権者。
請求の相手方,すなわち一定の行為をすべき義務(債務)を負っている者が債務者。

上記のように,債権の意義を「特定の人が特定の人に対して一定の行為を請求できる権利」=請求力と捉える見解が現在でも支配的である。が,この請求力に加えて給付保持力(または給付保持権能)も債権の内容と考えるべきことが主張され有力になってきている。

●債権者の請求の対象(債権の目的または債権の客体)となるのは,債務者の一定の行為=給付。

請求権とは

●債権とは,債権者が債務者に対して一定の行為を請求できる権利であるから,請求権の一種である。

『一種』と言うのは,債権の内容は請求力につきるわけではなく,給付保持力や掴取力といった権能を含み,他方では,物権的請求権や親族法上の請求権も存在するから。もっとも、724条など、請求権という用語が債権と同じ意味で使われることがあるので注意が必要。

債権の平等性

●債務者の意思に基づいて実現される権利であるから排他性がなく,同一内容の債権が複数併存することが可能。

●債権には排他性がないことから,同一の債務者に対する複数の債権者は,債権の成立の先後やその内容の如何に関係なくすべて平等に扱われる。債務者の責任財産がすべての債権者に弁済するのに十分でない場合には,各債権者は債権額に応じた比例配分によって弁済を受けることになる(債権者平等の原則)。

○物権は物を直接に支配できる権利であるから,同一物の上に内容の衝突する物権は複数成立することができない。ある物の上に先に成立した物権は,内容の衝突する物権が後に同じ物の上に成立することを排斥できる(物権の排他性)。

債権の相対性

●債権は債務者に対してのみ主張できる権利であり,債務者のみが債権を侵害しない義務(履行義務)を負う(債権の相対性:相対効)。

○物権は誰に対しても主張できる権利であり,権利者以外のすべての者が物権を侵害してはならない義務(不可侵義務)を負う(物権の絶対性:絶対効)。

譲渡性

●原則として譲渡性が認められている(466条1項本文)。しかし,債権は,人に対する権利であることから,譲渡性が制限されたり,当事者の特約によって譲渡性が否定されたりする(466条1項ただし書・2項)。

○物権は物に対する権利であることから,譲渡性が認められている。