レポートヒント~憲法~表現の自由の優越的地位について

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憲法レポートヒント

表現の自由の優越的地位について論ぜよ。

~表現の自由が優越的地位を占めるといわれる理由を論理的に説明すること~

標準的な構成

①表現の自由の根拠として、一般に挙げられるものを提示する。

・自己実現・自律の前提条件
・民主的政治過程の維持
・思想の自由市場

②これらは重要なことであるから、表現の自由が優越されると一般的に説明されることを提示する(自分が使っている基本書の該当箇所を引用)。

③「では、優越する根拠としては妥当なのか検討する」と自分の意見を交えて検討していく。

こちらの記事も参考にして下さい。

法学部自習室idest.club『学説・判例研究~憲法~表現の自由の根拠』

自己実現・自律(自己実現の価値)

表現の自由は思想・良心の自由と一体のものであり、精神的存在としての人間に不可欠な自由である。表現は、個人の人格・個性の発現であり、人格を形成・発展させるために欠くことが出来ない。表現の自由の抑圧は、個人の人格に対する直接的な抑圧である、との考え。

民主的政治過程の維持(自己統治の価値)

国民主権に基づく民主主義の政治システムが機能するためには、主権者の自由な意見交換や批判の自由が不可欠である。表現の自由は、市民が政治に参加するための基礎をなす権利である、との考え。

思想の自由市場

表現の自由は、社会の進歩・発展にとって不可欠である。各人の思想や意見が自由に交換される「思想の自由市場」(ホームズ裁判官やJ.S.ミルの議論)が確保されて初めて、「真理」の発見とそれに基づく社会進歩が可能になる。権力による表現の自由の抑圧が、「真理」の発見と社会進歩を遂げてきたことは歴史の教えるところである、と考える。真理と誤謬とを自由に競争させれば真理が生き残る、という功利主義的な考えを基礎とする。

おすすめの参考文献

・高橋和之『日本国憲法と立憲主義』
知る権利・アクセス権の側面を重視。自己実現や自己統治に必要不可欠だと説く(第8章はじめの数ページ)。

・松井茂記『日本国憲法』
知る権利・アクセス権の側面を重視。また、表現の自由の根拠についてエマーソン(アメリカの学者)を引用しつつ、上記した事項の記載があるので、この箇所を引用すればよい(15-3・1c)。さらに、この箇所では、これらの価値について学説がどのような状況にあるかの記載もある。

そのほか、芦部憲法と、4人組憲法を、適時、知識の確認や学説の紹介として引用すればよい。

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