政治学レジュメ~政治的平等2(Robert Dahl 『On Democracy』7章)

政治学レジュメ~政治的平等2(Robert Dahl 『On Democracy』7章)

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政治学レジュメ

政治的平等2

CHAPTER7
Why Political EqualityⅡ?
CIVIC COMPETENCE

THE COUNTERCLAIM OF GUARDIANSHIP

普遍的な善を目指した統治を行うことに極めて意欲的であり、全体の善を実現する方法について誰よりも優れた知識を有すエキスパート(プラトンが「守護者」とよぶような人々)に任せておくほうがよいという主張。

  • 専門家に対して、従属的な決定を委ねることと、重要な決定の最終的なコントロールを譲ることとは同じではない。(To delegate certain subordinate decisions to experts is not equivalent to ceding final control over major decisions.

専門的な知識と能力を取り込んだ比喩が使われる。医者は健康に関して一般人より優れているだとか、パイロットは安全に目的地まで連れて行く能力に長けるだとかいう具合である。

しかし、古い格言にあるように→experts should be kept on tap, not on top.

確かに、専門家はいくつかの重要な点で優れた知識を持っているかもしれない。

医者の指示に従うというのは合理的な選択だろう。しかし、医者が薦める治療方針の通りにするか否かを決める権限を、医者に譲らなければならないという意味ではない。

同様に、政府関係者が専門家に助言を求めることと、エリートが遵守を強制する法律や政策の決定権限を持つこととは全く別である。

  • 個々人による決定は、政府による強制力のある決定とは同じではない。

(Personal decisions made by individuals are not equivalent to decisions made and enforced by the government of a state.)

エリートによる支配とデモクラシーの議論での根本的な問題は、我々が個人として専門家を信頼すべきか、ということではない。誰が、どの集団が、政府の決定に対して、最終的な発言権を持つべきなのかという問題である。

必要ならば、強制力や投獄、死さえも用いて押し付ける決定について、コントロールする権限をエリートに委ねることが合理的であるとういうことにはならない。

  • 国家を良く統治するためには、厳密な科学的知識以上のことが必要となる。

(To govern a state well requires much more than strictly scientific knowledge.)

政治は、物理学、化学、薬学といった科学と同じ意味で理解される科学ではない。

なぜなら、①重要な決定にはいずれも倫理的判断が必要とされる。

(良い目標同士が衝突したり、利用可能な資源が限れられていたりすると、トレードオフや目標間の調整について判断する必要が生じてくる。)

また、②政策目標を実現する方法は、不確定な要素や対立が常に残されてしまう。

  • 国家を良く統治するためには知識以上のことが必要となる。

(To govern a state well takes more than knowledge.)

腐敗しないこと、巨大な誘惑に負けないこと、

自身や特定の集団に利益供与するのではなく、公共善のために、確固たる専念で取り組んでいく必要がある。

守護者が必要とする考えは、2点をあわせて主張する。

①エリートは、目指すべき目的についてだけでなく、その目的を現実化する手段として何がもっとも良いかということについても優れた知識を有している。

②エリートは、共通善を実現しようとして献身しているので、統治の主権を委任しても安心である。

①は、はなはだ疑わしい。そして、もし、①が正しくとも、それがそのまま②を正当化するものではない。知識と権力とは全く別のものなのである。

  • 理想郷を描くこととそれを実現することとは別である。

(Finally, to design a utopia is one thing; to bring it about is quite another.)

守護者による統治を現実しようとすれば、大量の難問に直面する。

どうやって守護者を就任させるか。だれが憲法を書き、だれが実行するか。守護者による統治が強制でないとするのであれば、どのように同意を得るか。守護者の後継はどう選ぶか。

このようなシステムは、能力による貴族政治から生まれによる寡頭政治へと陥る危険がある。

THE COMPETENCE OF CITIZENS TO GOVERN

守護者による統治を拒否することは次のことを意味する。

成人であれば誰でも政治に参加する資格は平等なので、政府のあり方を左右する権限は、すべての人に全面的、また最終的に委ねられるべきである。

では、誰に統治されるべきか。それは我々自身である。

成人であるすべての人には、自分の善や利益が何であるかを判断(personal autonomy)することが許されるべきである。

もっとも、成年でも正常な判断能力を欠いているとみなされる場合は、personal autonomyは認められない。しかし、濫用の可能性が秘められているため、判断力には独自性があるのだということを前提とした司法手続きが必要とされる。

きわめて説得力のある反対意見を採用する必要が生じる場合を除いて、その国の法律に服する成人は全て、法律の保護によって政治過程に参加するために、十分な権限を付与されるとうに配慮する必要がある。

A FIFTH DEMOCRATIC STANDARD:INCLUSION

<4章で先送りにされていた論点>

国家の統治に対して平等に発言できなければ、発言できる人々の利益と同じように配慮される機会は極めて少なくなる。このことは、歴史上の証拠がいくらでもある。

人類の経験から我々が学ぶことは、成人らの集団は、どれも自分たちを支配する権力を他の集団に与えてしまうならば安全は保障されなくなるということである。

そこで、5番目の基準として、次のとおり導くことができる。

すなわち、市民が完全に政治に参加できているかどうかである。

詳述すれば、デモクラシーだといえるためには、(短期滞在者・被後見人を除いて)その国の法律に服するすべての人が市民でなければならないということである。

UNSETTLED PROBLEMS

もし市民たちが有能であるとしても、より一層有能になるためには制度による助けが必要ではないだろうか。

このことを疑う余地はない。公的なことを理解できるように啓発される機会は、デモクラシーが成り立つための必要条件である。

包括的な参加(INCLUSION)という原理は、その国の法律に服するすべての人が主権者たる市民とされる必要がある。それゆえ、もし、市民教育の制度が弱くなれば、問題となってしまう。したがって、市民教育の制度が強化されなければならないのである。

CHAPTER 7
goals and ideals
WHY POLITICAL EQUALITY I: CIVIC COMPETENCE

A. THE COUNTER CLAIM OF GUARDIANSHIP

1. What is guardianship and how argued?
based on the analogy of doctor, pilot

2. Problems with the analogy
a. personal decisions by individuals not equivalent to decisions by
government
b. to govern a state requires more than strictly scientific knowledge
(ethical judgments)
c. good ends often conflict with each other –trade offs needed
d. Even where agreement prevails on the ends,
Much conflict and disagreement about the means

Thus to govern a state well takes more than knowledge

e. even if guardians have superior knowledge, power will corrupt
f. to design a utopia is not to implement it
How will guardians be chosen?

3. The Competence of Citizens to govern
Rejecting guardianship leads to this conclusion:
Among adults, no persons are so definitely better qualified than others to
govern that they should be entrusted with compete and final authority over
the government of a state.

every adult should be allowed to judge what is best for his our her own good
or interests.

a. Adults not children b. not all adults

4. Fifth Democratic Standard: Inclusion
If you are deprived of an equal voice in government chances are high your
interests will be neglected.
John Stuart Mill and the working class
Slaves, women

Full inclusion: citizen body in a democratically governed state must include
all persons subject to the laws of that state, except transients and persons
proved to be incapable of caring for themselves.

6. Unsettled Problems
a. Importance of Expertise vis a vis democratic decision making
b. Citizen competence and Civic Education p. 70 – IMPORTANT FOR PA
perfect conclusion for PA p. 80.