行政法学レジュメ~即時強制

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即時強制

「義務の履行を強制するためではなく、目前急迫の障害を除く必要上義務を命ずる暇のない場合又はその性質上義務を命ずることによってはその目的を達しがたい場合に、直接に人民の身体又は財産に実力を加え、以て行政上必要な状態を実現する作用」

ex.警察官職務執行法の保護、避難、犯罪の予防および制止、立ち入り、武器の使用(3条~7条、) 消防法上の破壊消防(消防法29条)、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に基づく措置入院(29条)、出入国管理及び難民認定法による収容や退去強制(39条以下、51条以下)

警察官職務執行法7条による警察官の武器の使用(拳銃の発砲)に関して参照、最高裁平成11年2月17日第1小法廷判決(百選105事件)

「即時強制」は事前に相手方に義務を賦課すること無しに、法律の要件が充足された場合にはただちに、実力を行使する

→「直接強制」は義務の存在を要件としている点で、「即時強制」とは異なる

私人に実力行使の受忍を強制させるので、即時強制には法律の根拠が必要

→ 私鉄にも旧国鉄にも適用される鉄道営業法42条1項を根拠に旧国鉄職員の即時強制権限が認められた最高裁判例がある。ピケ貼りをした労働組合員を強制退去させた事例であった(最高裁昭和48年4月25日大法廷判決、百選104事件)

即時強制は条例を根拠とすることができる
ex. 放置自転車条例で、放置自転車を強制撤去する

即時強制には人権保障の観点から手続の充実が望まれるが、現実には不備

手続保護の例 → 強制入院の事前に勧告を行う(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律19条1項)

即時強制は事実行為である(行政行為ではない)が、実力行使が継続的な場合には事実行為に対する「処分の取消」訴訟が認められる(通説)

ex. 自転車強制撤去への取消訴訟

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