行政法学レジュメ~行政行為の附款

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行政法学レジュメ 行政行為の附款

行政行為の附款

塩野p198~205

附款の定義

「行政行為によって法律関係が形成される時においても、その具体的内容を法令以外にその行政行為において定めること」

ex. 河川法24条の河川敷の占用許可を与えるにあたって、許可が撤回された時には被許可者が原状回復することを附款で定める

附款の機能

行政は弾力的な対応ができるようになる。

附款の種類

※法令用語では「条件」という語が全ての附款を含む。以下の分類は学問上のもの

ex. 第1項の許可(農地の権利の移転の認可のこと)は、条件を付けてすることができる。」農地法3条5項)

条件

「行政行為の効力の発生・消滅を発生不確実な事実にかからしめる附款」

ex. 停止条件  → 会社の成立を条件として会社の発起人に道路の占用を許可する
ex. 解除条件 → 一定期間内に工事が終了しなければ原子力発電施設の設置許可を取り消す

期限

「行政行為の効力の発生・消滅を発生確実な事実にかからしめる附款」

ex. 始期 → 河川の流水の占用を2019年4月1日から許可する
ex. 終期 → 道路の占用を2020年4月1日まで許可する

公務員の任期付きの任用は認められるかについて、最高裁は、小学校教員の期限付き(1年)任用について、地方公務員法上、特にこれを認める規定がなくても、許されるものと解するのが相当と判示している(最高裁昭和38年4月2日判決、行政判例百選95事件)

負担

「法令に規定されている義務以外の義務(作為・不作為)を付加する附款」

ex. 不作為義務を課す負担 → 公安条例での集団示威行進(デモ行進)の許可に際して、駆け足をしてはならないという負担を課す
ex. 作為義務を課す負担  → 道路の占用許可(道路法32条、電柱や公衆電話の設置など)に際して、一定額の占用料を課す

建築許可に、建物を「無償で撤去を命じうる等の所論条項を」附することも、「必要やむを得ない制限であ」り、違憲違法なものではない(最高裁昭和33年4月9日判決、行政判例百選96事件)

負担への違反は行政行為の効力に影響を与えない

※負担留保(ex. 河川法75条)
→ 負担を行政行為と同時ではなく後に付加することを予め告げておく

行政行為の内容を制限する附款という論点がある。つまり、集団示威行進(デモ行進)の許可に際して、申請とは異なった進路を指定した上で許可処分をするということがあるのだが、この場合、進路は申請の重要部分なので、負担ではなく、変更処分と解するべき

撤回権の留保

「行政行為をするにあたって、撤回することがあることを予め宣言しておくことを内容とする附款」

撤回に法律上の根拠は不要(通説・判例)であるし、いずれにせよ撤回権の制限が及ぶかどうかが争点になるので、実際上あまり意義を持たない

附款の許容性の限界

※かつては「確認」「公証」「通知」「受理」の準法律行為的行政行為には附款を課すことができないといわれていた

附款の限界は当該行政行為の性質を考慮して具体的に解釈していく必要がある

附款の限界 → 法律上の目的以外の目的で附款を課すことはできない

ex. 都市景観の見地から、「風俗営業等の規制及び業務の適正化などに関する法律」の適用にあたって、キャバレー等のネオンの色彩を附款により指定することはできない

※附款の瑕疵
→ 附款だけの取消訴訟や無効確認訴訟も提起できる
→ 附款がなかったら当該行政行為がなされなかっただろうと客観的に言える場合には、行政行為全体が瑕疵を帯びるものと解するべき

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